焙煎された豆を粉砕して粉状にすることができるコーヒーミル。手動と電動の種類があり、ただ豆を挽くだけではなく、近年ではインテリアになるような、デザイン性の優れたものも多くリリースされています。特にアンティークやレトロ感のあるものなどは人気が高く、ここではそういった優れたレトロデザインのコーヒーミルを紹介していきたいと思います。
コーヒーミルとは
コーヒー豆は粉状になることでお湯と接触する面積が増え、より効率的にエキスを抽出することができます。挽きたての豆を使うとより香り豊かなコーヒーを味わえるため、挽きたての豆を使って粉状にするコーヒーミルは、よりおいしいコーヒーを飲むためには必需なアイテムです。そんなコーヒーミルには手動と電動の2種類のタイプがあり、それぞれ特徴がありますので、まずは見ていきたいと思います。
手動
手動でハンドルを回してコーヒー豆を挽くタイプのコーヒーミル。電動に比べて動作音が静かで、電力を必要としないのでどこでも使うことができるメリットがあり、また、コンパクトさがあるためアウトドアに適したタイプも多いです。
また、低速で豆を挽くため摩擦熱が出にくく、コーヒー豆が酸化しにくい特徴があり、挽き目の調整も容易で、粒度を均一に調整しやすく、コーヒーに拘りがある人が選ぶタイプのようにも思いますし、デザイン性の高いものも多く、レトロデザインなものも手動になります。
電動
電力を使って豆を挽くタイプで、ボタン一つで簡単に挽くことができ、手動に比べて手軽に素速く粉状にすることができます。特に忙しい朝や多くの豆を挽く場合などに便利で、挽き目の調整が幅広くできる高機能なタイプのものも多いです。
ただ、デザインに関しては、優れたものもありますが、レトロ感の強いものは少ないように思います。
自分の好きな豆のタイプに引けたり、ボタン一つで素早く豆を挽けるために、近年では電動タイプが便利で人気がありますが、デザインを重視する場合は手動を選ぶことになると思います。
刃の種類
おいしいコーヒーにこだわる人には使われている刃にも注目した方が良いかもしれません。コーヒーミルに採用されている、豆を挽く刃には薄式、プロペラ、フラット式の3種類があり、自分の好きなコーヒーのタイプにより選ぶのが良いと思われます。
臼式
臼式は円錐形の刃が交差して豆を挽く仕組みで、手動ミルや高級電動ミルに多く採用されています。価格が高価なものが多く、構造も複雑でメンテナンスが難しい面がありますが、挽き目が最も均一で、摩擦が少なく、風味を損なわずに挽けるためコーヒーの風味を最大限に引き出すことのが特徴です。なので、非常に細かい挽き目が求められるエスプレッソなどを楽しみたい方に向いた刃と思われます。
プロペラ式
プロペラ式は回転するプロペラ状の刃で豆を砕く方式で、豆を切るようにして挽いていきます。安価で挽く時間が短く、コンパクトなタイプのコーヒーミルに使用されることが多いようです。
プロペラ式挽かれた豆は挽き目が不均一になりやすく、粒度が均一ではないために味のバラツキが出やすいのが難点として挙げられ、ある程度の挽き目のバラつきがあっても問題ない、ドリップコーヒーなどを作る際に良いタイプだと思われます。
フラット式
平らな刃で豆を潰すように挽く方式。平らな刃が並んでいるため、プロペラ式よりは均一な粒度で挽けますが、臼式ほどではないようです。粉の粒が均一になるために味の再現性が高いのが特徴で、価格も比較的リーズナブルなのも魅力的、電動式などに使われることが多く、挽き目の調整範囲が広く、様々なコーヒーに対応できます。
均一な挽かれた豆を求めるなら臼式とフラット式。構造が単純で壊れにくく、予算を考えるならプロペラ式に分けられ、コーヒーの味にこだわるならやはり臼やフラットを選びたいです。
コーヒーミルの選び方
コーヒーミルを選ぶ際にはさまざまな要素があると思いますが、まずはデザイン性で選ぶ場合は、インテリアに合わせることが重要になります。さらにサイズ感なども収納スペースを考えて選ぶと、インテリアとしても楽しめるのではないかと思われます。レトロ、モダン、インダストリアルと、さまざまなデザインのものがあり、レトロは特にインテリアの良いアクセントになりやすいのが特徴です。
その他、選ぶ上で大切な容量やメンテナンスについても見ていきます。
容量
コーヒーミルの大きさもさまざまなで、粉受けの大きさにより、一度に挽ける豆の量も変わってきます。1回分のコーヒーで良いなら小型でコンパクトなものでも十分ですが、大人数分を挽く必要があったり、一度に大量の豆を挽いて保存する人などは、大容量のモデルが必要です。
一度に一杯のコーヒーを飲む場合は20g~30g程度になると思いますが、挽く量はどのくらい必要かも考え、適切な容量のものを選びましょう。
メンテナンス
コーヒーミルは豆を粉状にするため、粉受けや刃の部分に粒子が多く付着してしまいます。コーヒーの油分が残ると、香りや味に影響が出やすいので、美味しいコーヒーを淹れるためには、定期的なメンテナンスが必要です。
そのため、刃やパーツが取り外しやすく、掃除が簡単かどうかも選ぶ上での大切な部分ですね。また、ミルの内部に水が入ると錆びたり故障の原因となるため、水洗いはできず、ブラシや綿棒を使ってメンテナンスすることになります。
Kalita(カリタ) 手挽きコーヒーミル #42005
カリタにはとても多くのコーヒーミルがあり、どれもレトロでスタイリッシュなデザインが特徴ですが、中でもこちらは手挽きミルシリーズの定番「#42005」になります。コーヒー豆の投入口が広く、オープン式なので簡単に豆が入れられる使いやすさがあり、粉受けは20gの引き出しタイプ。引き出しは機能的ではないかもしれませんが、アンティークなデザインの良さがあります。
丈夫な鋳鉄製のカッターを採用し、粗さ調整でき、好みの挽き目に調整可能です。
刃:硬質鋳鉄製臼歯
粉受け:20g
佐藤金属興業 SALUS 手挽きコーヒーミルジャー
ガラス製のジャーとミルが一緒になった佐藤金属興業の「手挽きコーヒーミルジャー」。ミルで豆をひいて、そのままジャーで保存できる機能性の高さが魅力的なアイテムです。
ステンレスとガラスの組み合わせは見た目もおしゃれで、手挽きのレトロ感が良いデザインとなっていると思います。挽き目の粗さを調整可能なので、フレンチプレス用の粗挽きから、エスプレッソ用の細挽きまで対応可能。パーツも分解できるのでメンテナンスのしやすさもあります。
サイズ:本体190x89x203mm
HARIO (ハリオ) 手挽き コーヒーミル コラム CM-502C
日本で唯一の耐熱ガラス工場を保有し、耐熱ガラスメーカーとして高品質な耐熱ガラス製品を送り出しているHARIO(ハリオ)。耐熱ガラスを使用したv60ドリッパーなどが代表で、世界の一流パティシエなどから愛される、海外からも評価が高いブランドです。
耐熱ガラス製品の他にもコーヒー関連のアイテムは多く、コーヒーミルに関しても高い人気をほこり、多くをリリースされていますが、こちらは木彫が特徴の「CM-502C」。セラミック製の臼がコーヒー豆を均一に挽き、コーヒー本来の風味を逃さず、パーツが少なく分解もできメンテナンスもしやすい仕様となっています。
サイズ:幅15.2×奥行10.4×高さ23.1cm 口径7.2cm
粉受け:40g
PEUGEOT(プジョー ) コーヒーミル クロノス
200年以上の歴史のあるプジョーは、自動車メーカーとして知られていますが、1840年からペッパー・ソルトミル、コーヒーミルなどのミルを作り続けている老舗の企業でもあります。
手動から電動までの多くのコーヒーミルがあり、どれも19世紀から受け継がれるクラシカルデザインな特徴を持ち、中でもこちらのクロノスは43段階の粗さ調節ができるモデルで、エスプレッソ用の細かさからフレンチプレス用の粗さまで対応し、好みのコーヒーを楽しむことが可能です。腕時計のゼンマイをモチーフにしたデザインも革新的でレトロなミルとなっています。
サイズ:14.5×10.5×高さ19cm
粉受け:約55g
ダルトン(Dulton) コーヒー ミル “テラ” フォレストグリーン
ダルトンのコーヒーミル「テラ」。本体にアイアンとニッケルメッキ、受け容器にストーンウェアの素材により作られた、インダストリアルでレトロなデザインが魅力のミルとなっています。セラミックグラインダーの刃を採用しており、熱伝導率が低いため豆の風味を損なわずに挽くことができ、調整ナットで好みの粗さに調整することも可能です。
耐久性が少し心配ですが、価格も安く、ダルトンらしいアイテムとなっていると思われます。
サイズ: W22xW15.5xD8cm
ザッセンハウス(Zassenhaus) 手挽きミル ブラジリア
1867年に創業したドイツの老舗キッチンツールブランドのザッセンハウス。コーヒーミルは昔ながらの職人技により作られた、歴史と確かな品質を受け継いだアイテムとして人気が高いです。
いくつかの種類がありますが、中でもこちらのブラジリアはザッセンハウスの定番ミルの一つであり、マホガニーやウォールナットなどの天然木ならではの温かみと、細やかな木目が特徴の人気のモデルとなっています。
サイズ:幅180×奥行135×高さ195mm
粉受け:40g
Driver(ドライバー) ミニハンドコーヒー グラインダー ポータブル
良質な木材から切り出して作られた、高級感のあるDriver(ドライバー)の「ミニ ハンド コーヒー グラインダー ポータブル」。金属ボディとは違い、木製は自然の温かみがあり独特の手触りを備え、コンパクトでバッグに納まるサイズ感は、アウトドアにピッタリのアイテムです。
また、ステンレスをCNC加工した豆を挽く臼歯は、頑丈で鋭く、軽い力で豆を挽くことを可能にしており、粗さ調整が可能なので、エスプレッソからフレンチプレスまで、好みの粗さに挽くことができます。
刃:ステンレス臼歯
以上になります。いかがでしたでしょうか。お気に入りの素敵なデザインのコーヒーミルを使い、気分よくおいしいコーヒーを飲んでいきたいですね。参考にしていただけたらと思います。